震災対策および防災に関する調査

2018.03.06

  • 生活
  • 意識調査
  • 障がい者
対象障がい:
  • 身体
  • 精神
  • 発達
  • 知的

実施の背景

今年で東日本大震災から7年となります。震災時には迅速な避難が求められ、場合によっては避難所での長期間にわたる生活が必要になります。しかし、障がい者にとっては、こうした避難や避難所での生活が大きな課題になることも少なくありません。今回の調査では障がい者が震災に直面した際に、どのような部分を困難に感じ、支援や対策を期待しているのかを明らかにするために実施します。

  • 対象者

    障がい者総合研究所
    アンケートモニター

  • 実施方法

    インターネット調査

  • アンケート期間

    2018/2/2~2018/2/8
    有効回答者数:331名

調査結果

<サマリー> [1] 大震災で被災した経験がある人の中で、自身の障がいに起因した困難があった人は4割

[2] 避難時・避難所での生活において、過半数が「障害による支障がある」と回答

[3] 障がいに関連する防災対策を行っている人は3割

[4] 災害時に、自治体や周囲の人に支援してほしいことがある人は4割

※調査の概要は右上のプレスリリースをダウンロードし、ご覧ください。

大震災で被災した経験がある人の中で、ご自身の障がいに起因した困難があった人は4割

大震災で被災されたことのある方にお聞きします。ご自身の障がいに起因した困難はありましたか。

《フリーワード》

  • あたり一帯が停電になり、テレビの情報はなく(ワンセグは映りにくい場所)、FAXはできず、母はメールができないため大変心配しました。広報車がもし何か言っていても聞こえませんし、ものすごく不安でした。(50代/女性/聴覚障がい)
  • エレベーターが使用不可となり、階段での上り下りとなった。(40代/男性/心臓機能障がい)
  • 会社までの道がデコボコで通勤出来なかった。ライフラインが復旧するまで、お風呂が困った。大浴場には、1人で入れない為(50代/女性/上下肢機能障がい)
  • 計画停電地域に住んでたので毎日計画停電実施の町内放送が聞こえず困ったこと(30代/女性/聴覚障がい)
  • 車中泊を2泊したが麻痺側の足が痛み出して続けられず、自宅に戻った。水が出ないのでトイレに困った。お風呂に入れず、健常者の方のように温泉やスーパー銭湯を使えなかった。(40代/女性/上下肢機能障がい)
  • 都内の駅で帰宅困難者のパニックの中に入ってしまい、大きなスーツケースを持って階段の上り下りをしたら、障がいのある関節が状態が悪化してしまった。(50代/男性/下肢機能障がい)
  • 当日は透析日で電車が止まり通院出来ず帰宅も出来なかった。(50代/男性/腎臓機能障がい)
  • H23.3.11を体験し、パニック障がいの発作がひどくなり、地震発生のシーンをフラッシュバックするようになってしまい現在も継続している。(30代/男性/うつ)
  • 過覚醒状態になった。幻聴が聞こえた。うつ状態になった。(40代/男性/精神障がいその他)
  • 余震が毎日続き、精神的に不安定になり、病気も悪化してしまいました。また、テレビで震災の模様がひたすら流れるのも恐怖でした。沢山の方が亡くなったのに、自分が助かったことに罪悪感を憶えました。テレビを見たくないのに、家族が見るので逃れられずつらかったです。また、放射能の関係で遠くに避難しましたが、慣れない土地での暮らしは厳しかったです。(30代/女性/統合失調症)
  • 病院がやっていなかったのでお薬が一時的に飲めない状態があった。(30代/男性/適応障がい)

避難時・避難所での生活において過半数が「障がいによる支障がある」と回答

震災が発生したと仮定し、あなたが避難する際、障がいによる支障はあると思いますか?

震災が発生したと仮定し、あなたが避難所で生活する際、障がいによる支障はあると思いますか?

障がいに関係する防災対策を行っている人は3割

あなたが現在行っている防災対策のうち、ご自身の障がいに対する備えはありますか?

《フリーワード》※あると答えた方より抜粋

  • 筆談用具や補聴器の電池を用意している(女性/40代/聴覚障がい)
  • 障がいにより体温調節が難しいため、保温のためのエマージェンシーブランケットを用意している。その他に常用している薬1週間分、ヘルプカード、パンツ式紙おむつなども常備している(女性/50代/上下肢機能障がい)
  • 携帯の酸素ボンベを避難所に持っていけるように用意している(女性/50代/心臓機能障がい)
  • ストマの装具など一式を用意している(女性/30代/ぼうこう・直腸機能障がい)
  • 個人用簡易トイレや、衣服・予備の白杖などを準備しており、リュックにはヘルプマークを装着しています(男性/30代/視覚障がい)
  • 義足使用者なのでライナーの予備をいつも持ち歩いている。また、義足に小さなライトをつけている(女性/50代/下肢機能障がい)
  • 災がいで薬がもらえないと困るので、少し多めに備蓄しています。また、東北大震災で家に帰れなかったとき、薬がなくなって困ったので、いつも数日分の水と一緒に持ち歩いています(女性/30代/統合失調症)
  • ヘルプカードの携帯。ヘルプマークをリュックに掛ける。災がい用の薬を多めにストックしている(男性/40代/躁うつ)
  • 会社に1週間分の薬を常備するとともに、普段から1週間分の薬を持ち歩いている(女性/40代/躁うつ)
  • お薬手帳と障がい者手帳は、常に身に付けるか取りやすいところに置いている。2日分の薬は持ち歩いている(男性/40代/うつ)
  • イヤーマフや精神安定のために使い慣れたブランケットを持っていけるように用意している(女性/20代/発達障がい)
  • お薬手帳は紙ベースとスマホアプリの両方を使い、スマホアプリでは薬剤情報を夫婦で定期的に共有している(男性/30代/発達障がい)
  • 貴重品と1ヶ月分の薬、ミネラルウォーターの小ペットボトル1つを避難袋に入れています(女性/50代/うつ)
  • 日頃から歩行能力向上を目指してリハビリトレーニングを実施したり、近所の指定福祉避難所を確認しシミュレーションをしています (男性/40代/上下肢機能障がい)
  • 病院で災がい対策のマニュアルをもらったり、伝言ダイヤルや避難所の確認をしている(女性/40代/腎臓機能障がい)
  • 日頃から災がい情報に注意を傾け、災がいに遭った障がい者がどのように災がいと向き合ったかを知るようにしている(女性/50代/聴覚障がい)
  • 職場近くの病院に緊急時の協力依頼をしている(男性/30代/腎臓機能障がい)

災害時に、自治体や周囲の人に支援してほしいことがある人は4割

災害時に、自治体や周囲の人に支援してほしいことはありますか?

《フリーワード》※あると答えた方より抜粋

  • 音声だけでなく目に見えるようなアナウンスや、非常事態の際には声かけをお願いしたい(女性/40代/聴覚障がい)
  • 筆談に協力してほしい(女性/40代/聴覚障がい)
  • 回覧板や声掛けを積極的に行ってほしい。手話通訳者やボランティアによる要約筆記の人を紹介してもらいたい(女性/50代/聴覚障がい)
  • 避難所までの手引き、避難所内部の様子を教えてほしい。紙などで情報が配布された場合の代読をお願いしたい(男性/30代/視覚障がい)
  • 安全確実に避難できるように誘導支援してほしい(男性/40代/上下肢機能障がい)
  • 避難施設は免震可能なため、ストマ装具を保管してほしい(男性/30代/ぼうこう・直腸機能障がい)
  • 腎移植をしている場合、免疫抑制剤を飲んでおり、震災時に手元の薬が不足する可能性がある。また水分の補給、身体を冷やさない、感染リスクの予防が必要となる。こうしたことを事前に周知理解してほしい(男性/40代/腎臓機能障がい)
  • 大規模な災害で、透析施設に自力では行けない場合、透析施設までの搬送をしてほしい(女性/30代/腎臓機能障がい)
  • 薬がなくなった場合の病院・調剤薬局への優先権がほしいです(女性/40代/心臓機能障がい)
  • 薬の手配や調達の手助けをしてほしいのと、大勢の人の中には居ることができないことを理解してもらいたい(男性/50代/うつ)
  • 薬を手配していただきたい。障がいにより独り言などの症状が出ることを許してほしい(男性/20代/発達障がい)
  • 不安により、パニックになる可能性があるので、専門家によるアドバイスをしていただきたい(男性/40代/うつ)
  • 災害時はパニックになってしまうので、恐怖や不安を感じやすいということを分かってほしい(女性/30代/統合失調症)
  • ヘルプマーク、ヘルプカードに記載している内容についての支援をしてほしい。重複障がいがあるため、精神障がいに対してはパニック時の対応や服薬・見守り、難病に対しては個室の確保など(男性/40代/躁うつ)
  • 避難所に心理カウンセラーや精神科医を置くなど、心のケアもしてほしい(男性/40代/うつ)
  • それぞれの障がいで不便に思うことも違うので、できれば災害時の対策について考えるときに障がい者の意見を聞き災害対策マニュアルに盛り込んでほしい(女性/50代/下肢機能障がい)
  • 地域の障がい者を把握してもらうこと(男性/30代/下肢機能障がい)
  • ケースワーカーや民生委員による声掛けを日頃から行ってほしい。それにより、地域の関係者と日頃から人間関係を築ける(男性/30代/発達障がい)

回答者属性

回答期間 : 2018年2月2日~2月8日
調査方法 : インターネット調査
有効回答数: 331名

<障がい区分>

<性別>

<年齢層>

<障害者総合研究所所長中山伸大からのコメント>

中山伸大

障がい者総合研究所では東日本大震災から7年、熊本地震から2年を迎えるにあたり、障がい者が大震災に対して、どのような不安があり、どのような対策や支援を求めているのかを調査しました。震災が発生した場合に、自身の障がいによる支障があるかを聞いたところ、55%が「避難時に支障があると思う」、64%が「避難所での生活に支障があると思う」と回答しました。また、自身の障がいに関する防災対策を行っている人は26%に留まり、支障があると回答した人の割合から考えると、個人が取り組める対策に限界があることが伺えます。災がい時に、自治体や周囲の人に支援してほしいことがあると回答した人は40%であり、具体的に求める支援内容として、聴覚障がいや視覚障がいの人は情報保障、上下肢障がいの人は避難誘導の支援、内部障がいの人は病状に応じた対応などを求めています。精神障がい者は、避難所などで大勢の人と生活することの困難さへの理解や、パニック時の対応など心のケアを求める声がありました。また、障がいの種別を問わず、薬の調達への要望が見られました。一方、災がい時に自治体や周囲の人に支援してほしいことがあるか「分からない」と回答した人が40%を占めることも注目に値します。障がい者の大震災に対する不安や困り事に対して、周囲が取り組めることを障がい者と共に考え、災がいに備えることが必要だと言えます。

震災対策および防災に関する調査

発行・監修
株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所
〒104-0031 東京都中央区京橋2-4-12 京橋第一生命ビル3F
TEL: 03-3548-8052 FAX:03-3270-6600 Mail: sri@generalpartners.co.jp URL: http://www.gp-sri.jp/
発行日
2018年3月
お問い合わせ先
研究員 小牧秀太郎

※本調査結果の引用の際は、「株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所調べ」とクレジットを明記ください

≪株式会社ゼネラルパートナーズについて≫

障がい者の良き認知を広め、差別偏見のない社会を実現することを目指し、民間企業初の障がい者専門の人材紹介会社としてスタート。その後、業界初の転職サイトatGPの開設をはじめ、障がい別の専門的なプログラムが受けられる教育・研修事業、就労困難な障がい者による農業生産事業など、数々の事業・サービスを創出してきました。これまで生み出した障がい者の雇用数はのべ5,000人以上です。

会社名
株式会社ゼネラルパートナーズ
代表者
代表取締役社長 進藤 均
URL
http://www.generalpartners.co.jp/
本社所在地
東京都中央区京橋2-4-12 京橋第一生命ビル3F
設立日
2003年4月
事業内容
障がい者の総合就職・転職サービス(求人情報サービス、人材紹介サービス、就労移行支援事業、就労継続支援A型事業)
Pagetop