ヘルプマークの認知度・利用状況に関する調査

2017.11.01

  • 生活
  • 意識調査
  • 障がい者
対象障がい:
  • 身体
  • 精神
  • 発達
  • 知的

実施の背景

ヘルプマークは東京都が作成し、2012年10月から都営地下鉄大江戸線で、2013年7月から都営地下鉄など各路線で配布されてきたヘルプマークですが、2017年7月20日に日本工業規格(JIS)に登録されました。これに伴い、今後、全国へと普及することが予想されています。そこで、ヘルプマークの認知度や利用状況・その課題を明らかにすることで、さらなる普及と利用促進につなげ、障がい者が住みやすい社会形成に役立てたいと考え、調査を実施しました。

  • 対象者

    障がい者総合研究所
    アンケートモニター

  • 実施方法

    インターネット調査

  • アンケート期間

    2017/7/7~2017/7/13
    有効回答者数:379名

調査結果

<サマリー> [1] ヘルプマークの認知度については、約半数が「知っている」と回答。
地域別では首都圏の認知度は55%に対して、その他の地域では認知度は38%
※地域区分に関しては9ページ以降の回答者属性をご参照ください。

[2] 認知経路は「SNSなどインターネットを通じて知った」、「公共交通機関を利用した際に知った」の割合が高い
首都圏では「公共交通機関を利用した際に知った」、その他の地域では「SNSなどインターネットを通じて知った」が高い傾向

[3] ヘルプマークを「実際に利用したことがある」人は22%、首都圏における利用率も29%に留まる
ヘルプマークを利用していない理由は「入手方法がわからないから」、
「利用時の周囲の反応が気になるから」、「認知不足により役に立たないと思うから」が上位

[4] ヘルプマークを使っている人のうち、約半数が「役立っている」と回答、利用目的は
「公共交通機関の利用時などに周囲から配慮してもらう」ため

[5] ヘルプマークを知らない人のうち、ヘルプマークを「利用したい」と回答した人は約半数、
特に首都圏以外の地域でその傾向が顕著

※調査の概要は右上のプレスリリースをダウンロードし、ご覧ください。

詳細

●ヘルプマークとは…
外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、
周囲に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成されたマークです。

<対象者>

  • 義足や人工関節を使用している方
  • 内部障がいや難病の方
  • 妊娠初期の方
  • その他、援助や配慮を必要としている方
サマリー[1]
ヘルプマークの認知度については、約半数が「知っている」と回答
地域別では首都圏の認知度は55%に対して、その他の地域での認知度は38%

ヘルプマークの認知について質問したところ、47%がヘルプマークを「知っている」と回答しました。
地域別で比較すると、首都圏では「知っている」と回答した割合が55%と半数を超えたのに対し、その他の地域では38%に留まりました。

あなたはヘルプマークを知っていますか。

サマリー[2]
認知経路は「SNSなどインターネットを通じて知った」、「公共交通機関を利用した際に知った」の割合が高い
首都圏では「公共交通機関を利用した際に知った」、
その他の地域では「SNSなどインターネットを通じて知った」が高い傾向

ヘルプマークの認知経路について、ヘルプマークを知っている人に質問しました。その結果、「SNSなどインターネットを通じて知った」と「公共交通機関を利用した際に知った」と回答した人の割合は3割を超えました。地域別の結果では、首都圏は「公共交通機関を利用した際に知った」、その他の地域は「SNSなどインターネットを通じて知った」と回答する傾向が高いことがわかりました。

あなたはどのようにして、ヘルプマークを知りましたか。 (複数選択可)

<地域別>

サマリー[3]
ヘルプマークを「実際に利用したことがある」人は22%、首都圏における利用率も29%に留まる
ヘルプマークを利用していない理由は「入手方法がわからないから」、「利用時の周囲の反応が気になるから」、
「認知不足により役に立たないと思うから」が上位

ヘルプマークを実際に利用したことがあるか質問しました。その結果、「現在、利用している」人が20%、「利用していたが、現在は利用していない」人が2%と合計で22%となりました。ヘルプマークが普及していると考えられる首都圏においても、「現在、利用している」人が25%、「利用していたが、現在は利用していない」人が4%と合計でも29%に留まりました。次に、ヘルプマークを利用したいと思っているが、まだ利用していない人、ヘルプマークを利用したくない人にその理由を聞きました。ヘルプマークを利用したいと思っているが、まだ利用していない人は約6割が「入手方法がわからない」と回答しました。一方、ヘルプマークを利用したくないと考えている人は、「利用時の周囲の反応が気になるから」、「認知不足により役に立たないと思うから」と回答した人が多い結果となりました。ヘルプマークの改善してほしい点に関しても、上記に関連する「サイズやデザイン面」、「普及」について改善の声が聞かれました。

あなたはヘルプマークを利用したことがありますか。

<地域別>

あなたがヘルプマークを利用していない・利用したくない理由は次のうち、どれですか。(複数選択可)

<ヘルプマークを利用したいと思っているが、まだ利用していない人>

<ヘルプマークを利用したくない人>

ヘルプマークについて、改善したほうが良いと思うことを教えてください。

■サイズやデザイン面の改善について

・もっと誰でも分かるデザインにすれば良いと思う(50代/男性/身体障がい)
・もう少しデザインをわかりやすいものにしてほしい。ただ可愛いだけでなく気の利いた英文など入れても良い(40代/女性/身体障がい)
・マークだけだとわかりにくいので、一言でも“ヘルプマーク”と書いてあると良い(40代/女性/身体障がい)
・どういった障がいでどういったことに困っているのか、マークをもっと分かりやすくして欲しい(40代/男性/精神障がい)
・マークが大き過ぎて取り付けに困る。もう少し小さく携帯しやすいデザインであれば良いと思う(30代/男性/精神障がい)
・身に付けやすいデザインと、サイズの種類を増やすと良いと思う(30代/女性/精神障がい)
・止め具をしっかりとした物にして欲しい(50代/男性/身体障がい)
・シリコン製のため、時折ラッシュ時に挟まると千切れそうになる。コストはかかるかもしれないが、丈夫なものにして欲しい。ピンバッチなど、材質によって付け方を選択できるようになると嬉しい(40代/男性/精神障がい)
・ゴムが硬くてすごく付けにくい。もう少し付けやすくなるよう工夫して欲しい(50代/女性/身体障がい)
・裏面に障がいの特長を書いたとしても、汚くなったり剥がれたりしてしまうので、その辺を改善して欲しい(30代/男性/精神障がい)

■普及について

・知らない人がほとんどのため、電車内広告などを通じて広めて欲しい(50代/女性/身体障がい)
・職場で啓発活動してはどうか(40代/男性/精神障がい)
・TVなどでもっとアピールした方がいい(50代/男性/身体障がい)
・地方自治体でもっとPRして欲しい(50代/男性/身体障がい)
・東京都以外の人間にも認知されるよう、草の根レベルでの周知を徹底して欲しい(40代/男性/精神障がい)
・どこで入手出来るのか教えて欲しい(40代/女性/身体障がい)
・受け取ることができる場所の拡大が必要(40代/男性/精神障がい)
・内部障がいでも使えることを広めて欲しい。見た目では分からない障がいの場合、ヘルプマークの悪用を疑われそう(30代/女性/身体障がい)
・精神障がい者にも使えるかが分かりづらい。どういう障がいだったら使えるのか周知して欲しい(40代/女性/精神障がい)
・ヘルプマークと併せてヘルプカードを持参させることを障がい者本人にも周囲の人や家族にも推奨して欲しい(40代/男性/精神障がい)
・ヘルプマークを認知していたとしても、どのように障がい者と接して良いのか、また関わったがために責任を問われると考える人が多く、その辺をクリアにする必要があると思う(40代/男性/身体障がい)

■その他

・ヘルプマークという名称では、何を意味しているのかが分かりづらい(30代/男性/精神障がい)
・マークの種類が多くなり過ぎると、何のためのマークか、見る側が混乱するので、種類は最小限に留めた方が良い(40代/女性/精神障がい)
・ヘルプマークを付けている人に対する差別的な世間の目を変えて行かないと普及は難しいと思う(40代/男性/身体障がい)
・全国共通にするために他の同様のマークを廃止したほうが良い(30代/女性/身体障がい)

サマリー[4]
ヘルプマークは約半数が「役立っている」と回答、
主な利用目的は「公共交通機関の利用時などに周囲から配慮してもらう」ため

ヘルプマークが役立っているか聞いたところ、「役立っている」と回答した人は46%と約半数となりました。また、具体的にどのような場面で役立っているか聞いたところ、9割を超える人が「公共交通機関の利用時などに周囲から配慮してもらう」ためと回答しました。

あなたはヘルプマークが役立っていると思いますか。

あなたはどのような場面でヘルプマークが役立っているもしくは役に立つと考えていますか。

サマリー[5]
ヘルプマークを知らない人のうち、ヘルプマークを「利用したい」と回答した人は約半数、
特に首都圏以外の地域でその傾向が顕著

ヘルプマークを知らない人に、今後、ヘルプマークを利用したいか聞きました。その結果、49%の方が「利用したい」と回答しました。地域別では、首都圏で「利用したい」、「どちらかというと利用したい」と回答した人が43%に対して、その他の地域では53%であり、ヘルプマークの利用意向は首都圏以外の地域のほうがやや高い傾向となりました。

今後、あなたはヘルプマークを利用したいと思いますか。

<地域別>

回答者属性

回答期間 : 2017年7月7日~7月13日
調査方法 :インターネット調査
有効回答数:379名

<障がい区分>

<年代>

<居住地>

<障害者総合研究所所長中山伸大からのコメント>

<障害者総合研究所所長中山伸大からのコメント>

東京都が作成した「ヘルプマーク」は、JIS登録されたことにより、今後さらに広まることが予測されます。障がい者総合研究所では、現時点におけるヘルプマークの認知度や利用状況や改善点を明らかにすることを目的に調査を実施しました。

調査対象者の約半数がヘルプマークを「知っている」と回答し、特に首都圏での認知度は55%に上りました。認知経路として、首都圏では交通機関利用時に知った人が最も多く35%であるのに対し、首都圏以外の地域ではSNSなどのインターネットを通じて知った人が最も多く見られました。
実際にヘルプマークを利用することによって得られた配慮では「公共交通機関で席を譲ってもらいやすくなった」という声が94%と多く挙げられました。ヘルプマークの目的として、東京都は『外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなる』こととしていますが、その効果が公共交通機関利用時には得られていることが分かります。
しかし、ヘルプマークを知っている半数の人うち利用経験のある人は22%に留まり、認知されているものの利用されていない状況が浮かび上がりました。利用していない人にその理由を尋ねると「入手方法が分からないから」という回答が58%と最も高く、ヘルプマークの入手方法についての広報活動の必要性があると言えます。
また、ヘルプマークを知っているが、ヘルプマークを利用したくない人の理由は、「利用時の周囲の反応が気になるから」が最も高く35%、「認知不足により役に立たないと思うから」が33%でした。また、少数ではあるものの「嫌がらせを受けたなどの噂を聞いたから」と回答する人も見られました。ヘルプマークを利用することで、差別や偏見の対象になることを恐れていることが伺えます。
この結果から、ヘルプマークを普及するためには、ヘルプマークの認知を向上させるだけでなく、障がい者など援助を求める人に対する社会全体のまなざしも変えていく必要があると言えます。

ヘルプマークの認知度・利用状況に関する調査

発行・監修
株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所
〒104-0031 東京都中央区京橋2-4-12 京橋第一生命ビル3F
TEL: 03-3548-8052 FAX:03-3270-6600 Mail: sri@generalpartners.co.jp URL: http://www.gp-sri.jp/
発行日
2017年7月
お問い合わせ先
研究員 小牧秀太郎

※本調査結果の引用の際は、「株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所調べ」とクレジットを明記ください

≪株式会社ゼネラルパートナーズについて≫

障がい者の良き認知を広め、差別偏見のない社会を実現することを目指し、民間企業初の障がい者専門の人材紹介会社としてスタート。その後、業界初の転職サイトatGPの開設をはじめ、障がい別の専門的なプログラムが受けられる教育・研修事業、就労困難な障がい者による農業生産事業など、数々の事業・サービスを創出してきました。これまで生み出した障がい者の雇用数はのべ5,000人以上です。

会社名
株式会社ゼネラルパートナーズ
代表者
代表取締役社長 進藤 均
URL
http://www.generalpartners.co.jp/
本社所在地
東京都中央区京橋2-4-12 京橋第一生命ビル3F
設立日
2003年4月
事業内容
障がい者の総合就職・転職サービス(求人情報サービス、人材紹介サービス、就労移行支援事業、就労継続支援A型事業)
Pagetop